アガロースゲルの計算ツール

ゲルの容量と目標のゲル濃度から、アガロース・緩衝液・染色試薬の量を出し、見たい断片を分離できるゲル濃度を示します。ゲルの容量と目標のゲル濃度を入れると、調製内容が出ます。複数枚作る場合は枚数を増やしてください。

染色試薬の倍率と断片の大きさは任意です。空欄にすると、その行だけが出なくなります。

ゲル濃度と分離範囲

アガロース濃度 (% w/v)分離範囲 (kb)
0.3*560
0.5130
0.70.812
1.00.510
1.20.47
1.50.23
2.0*0.12

出典は 0.3% と 2.0% の行に星印 (*) を付けていますが、その注記は文書のどこにも印刷されていません。説明を付けずに、印だけをそのまま写しています。

出典:QIAGEN Bench Guide「DNA analysis using analytical gels」の表「Concentration of agarose used for separating fragments of different sizes」。

使い方ガイド

  1. ゲル1枚の容量を mL で、目標のゲル濃度を入れます。ここでのゲル濃度は容量あたりの重量なので、1% は緩衝液 100 mL にアガロース 1 g という意味です。
  2. 2枚以上作る場合は枚数を増やしてください。容量と質量がそろって増えます。
  3. 手元にある泳動用緩衝液の原液を選びます。50× TAE・10× TBE・5× TBE を用意してあります。それ以外は倍率をご自分で入れてください。
  4. 染色試薬の原液の倍率を入れると、その量も出ます。染色試薬は水の分を置き換える形で入るため、全量は指定したままです。
  5. 断片の大きさを bp で入れると、それを分離できるゲル濃度が下の表に印されます。

計算式と注意点

アガロースゲルは孔の大きさで DNA をふるい分けます。アガロースが多いほど孔が細かくなり小さい断片をよく分離でき、少ないほど孔が開いて大きい断片が動けます。「何%にすればよいか」に答えるのが式ではなく表なのは、そのためです。

計算

4行です。全量はゲル1枚の容量に枚数を掛けたものです。

アガロース (g)
目標のゲル濃度 (%) ÷ 100 × 全量 (mL)
緩衝液の原液 (mL)
全量 ÷ 原液の倍率
染色試薬 (μL)
全量 ÷ 染色試薬の倍率 × 1000
水 (mL)
全量 − 緩衝液の原液 − 染色試薬

注意点

  • エチジウムブロマイド (EtBr) は変異原性が疑われています。手袋を着け、ゲル・泳動用緩衝液・コーム・トレイはいずれも汚染されたものとして扱ってください。ゲルに混ぜ込む方法は手軽ですが、泳動槽を汚染し、直鎖状 DNA の移動を約 15% 遅らせます。泳動後に染色すれば使用量が減り、槽もきれいに保てます。
  • EtBr の濃度としてよく挙げられるのは終濃度 0.5 μg/mL です。この計算ツールは既定の染色試薬をあえて用意していません。お手元のボトルに書かれている倍率を入れてください。
  • TAE は TBE より緩衝能が低く、長時間の泳動では先に消耗します。TBE のほうがバンドが鋭く、とくに 1 kb 以下で勧められますが、ホウ酸イオンが糖と錯体をつくるため、ゲルから DNA を回収しにくくなります。切り出して精製するつもりのゲルには TAE のほうが扱いやすい選択です。
  • 高純度のアガロースを使ってください。多糖・塩・タンパク質はいずれも移動をゆがめ、その影響はゲル濃度が高いほど大きくなります。
  • これは容量と質量の計算です。ゲルが実際に何を分離できるかは電圧・泳動時間・装置にもよるため、表の範囲は出発点として扱ってください。

よくある質問

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