使い方ガイド
- 分子量を g/mol で入れます。試薬びんに F.W. または M.W. として印字されています。
- 手元にあるほうの濃度を入れ、その単位を選びます。
- もう一方の欄は空けておきます。そこが求まる側です。
- 答えが下に出ます。同じ値を mol/L と g/L でも示すので、プロトコルがどちらで書かれていても照合できます。
💡 指数は e で入力できます。たとえば 1.5×10⁻⁵ は 1.5e-5 と入力します。
計算式と注意点
このサイトで定数がひとつも出てこない唯一の換算です。リットルあたりのモル数に、モルあたりのグラム数を掛ければリットルあたりのグラム数になり、リットルあたりのグラム数はミリリットルあたりのミリグラム数です。すべて単位の恒等式なので、測るものも調べるものもありません。
どちらの向きも一行から出てきます。
- モル濃度 → 質量濃度
- c (g/L) = M (mol/L) × MW (g/mol)
- 質量濃度 → モル濃度
- M (mol/L) = c (g/L) ÷ MW (g/mol)
- つまずきやすい恒等式
- 1 g/L = 1 mg/mL = 1000 µg/mL
頭に入れておくとよい値
| 物質 | 分子量(g/mol) | 1 M は | 1 mg/mL は |
|---|---|---|---|
| NaCl | 58.44 | 58.44 mg/mL | 17.1 mM |
| Tris base | 121.14 | 121.14 mg/mL | 8.26 mM |
| EDTA 二ナトリウム二水和物 | 372.24 | 372.24 mg/mL | 2.69 mM |
| グルコース | 180.16 | 180.16 mg/mL | 5.55 mM |
注意点
- 1 M で分子量が 100 なら、答えは 100 mg/mL です。100 000 でも 0.1 でもありません。ここで 1000 を探してしまうのが最も多い誤りで、しかも誤った答えももっともらしい濃度なので目に留まりません。
- 分子量は「実際にはかりに載せたもの」の値でなければなりません。酢酸ナトリウム三水和物は 136.08 g/mol であって、無水物の 82.03 ではありません。取り違えると濃度が 40 % ずれます。
- mg/mL と g/L は同じ数です。人によってどちらかで記録するので両方を示します。同じであることを自分に言い聞かせる必要はないはずです。
- ⛔ copies/µL はここにはなく、あえて外しています。あれは分子の「個数」を数える単位なので、渡るのに必要なのは分子量ではなくアボガドロ定数です。DNA/RNA 濃度計算ツールと ng ↔ pmol 換算ツールがその役を担います。
- この換算は、その物質が実際に溶けるかどうかについては何も言いません。飽和を超えた濃度でも計算はそのまま通ります。
よくある質問
どこへも行きません。mol/L に g/mol を掛けると単位が約分されて g/L になり、g/L と mg/mL は同じ量を二通りに書いたものです。1000分の1グラムが1000分の1リットルに入っている、というだけのことです。思い浮かべてしまう 1000 は g/L と µg/mL のあいだのもので、それは別の組み合わせです。
はかりに載せた物質の式量を、水まで含めて使います。酢酸ナトリウム三水和物は 136.08 g/mol、無水物は 82.03 g/mol なので、三水和物を量って無水物の値を使うと、意図より 40 % 薄い溶液になります。びんには中身に合った値が印字されています。
どちらを言っているのかを決めて、それを明記してください。塩酸塩の 10 mM 溶液は「塩として」10 mM です。遊離塩基として 10 mM かどうかは化学量論しだいで、ここでの換算はそれを知りません。供給元によってどちらを印字するかが違うため、力価基準の濃度と秤量基準の濃度が塩の割合だけずれることがあります。
分子量を g/mol で入れれば使えます。50 kDa のタンパク質なら 50 000 g/mol です。ただし「濃度がいくつか」はこのツールでは分かりません。それは A280 を測ってタンパク質濃度のツールを使う話で、そちらには吸光係数も必要です。
先に直してください。1 % (w/v) は 10 mg/mL です。100 mL に 1 g という意味ですから。パーセント ↔ モル濃度 換算ツールがその段階を直接おこないますし、そちらのほうが近道です。
同じ種類の濃度ではないからです。モル濃度はモル数を数え、copies/µL は分子の個数を数えるので、両者を橋渡しするのは分子量ではなくアボガドロ定数です。この一覧に混ぜると、別々の物理量が一つの選択欄の後ろに並ぶことになります。