NGS ライブラリープーリングの計算ツール

等モル・等量・重み付けのプーリングで、各ライブラリーから取る量と加える緩衝液の量を求めます。ライブラリーごとに名前・長さ (bp)・濃度 (ng/µL) を貼り付け、目標のプール濃度と最終体積を指定すると、各チューブから取る量と、足りない分を満たす緩衝液の量が出ます。
プーリングの方式

どのライブラリーも同じ分子数を出します。リード数を均等に分けたいときの既定です。

1行につき1ライブラリー、名前 · 長さ (bp) · 濃度 (ng/µL) の順です。表計算ソフトから3列をそのままコピーするのが確実です。名前のない2列の場合は行番号で番号を付けます。ライブラリーは 384 件までです。

nM
µL
g/mol/bp

NGS の慣習は 660 です。二本鎖DNA では 650 も広く使われており、どちらを選ぶかでモル濃度が約 1.5% 動きます。

µL

これを下回る量を求める計画には印を付けます。正確にピペットできる最小の量を入れてください。

使い方ガイド

  1. プーリングの方式を選びます。迷うときの既定は等モルです。
  2. 表計算ソフトから3列 — 名前・長さ (bp)・濃度 (ng/µL) — をコピーして欄に貼り付けます。重み付けの場合は、4列目に比を足してください。
  3. 目標のプール濃度 (nM) と最終体積 (µL) を入れます。シーケンサーとライブラリー調製キットが求める値をお使いください。
  4. 1 bp あたりの分子量は既定で 660 です。キットや所属機関の基準が 650 なら、そちらに変えてください。
  5. 正確にピペットできる最小の量を、最小量の欄に入れてください。それを下回るものには表で印が付きます。
  6. 表の上から順に、示された量を各ライブラリーから取り、最後に緩衝液を加えて最終体積にします。

計算式と注意点

4つの方式が違うのは1点だけ — 各ライブラリーがプールの分子のうちどれだけを出すかです。その取り分が決まれば、あとの計算は同じです。

濃度からモル濃度へ

ng/µL は質量濃度なので、そのまま足せません。同じ ng/µL でも、長さが2倍のライブラリーは分子の数が半分です。

モル濃度 (nM)
ng/µL × 10⁶ ÷ (長さ bp × 1 bp あたりの分子量)
例:1 kb · 1 ng/µL · 660
1 × 10⁶ ÷ (1000 × 660) ≈ 1.515 nM

取る量

ライブラリー i がプールの分子のうち wᵢ の取り分を出すとすると、量は次のように決まります。

取る量 (µL)
vᵢ = wᵢ × 目標 × 最終体積 ÷ モル濃度ᵢ
緩衝液 (µL)
最終体積 − Σvᵢ

方式ごとの取り分 wᵢ

方式wᵢ結果
等モル1/nどのライブラリーも同じ分子数を出す
等量モル濃度ᵢ ÷ Σ モル濃度どのチューブからも取る量が同じになる
重み付け比ᵢ ÷ Σ 比分子が指定した比で分かれる
希釈してから等量1/n(希釈後)すべてが1つの濃度になるため、等モルと等量が一致する

届く上限の濃度

上限は、取る量がちょうど最終体積を満たす点 — 緩衝液が0になる点です。この組み合わせから、それより濃いものは作れません。

目標の上限 (nM)
1 ÷ Σ(wᵢ ÷ モル濃度ᵢ)
等モル
モル濃度の調和平均
等量
モル濃度の算術平均

注意点

  • 1 bp あたり 660 g/mol は NGS の慣習です。二本鎖DNA 一般には 650 が広く使われており、2つは約 1.5% 違います。所属機関の基準があればそれに従ってください。このサイトの ng ↔ pmol 換算ツールは既定が 650 です。
  • 長さは、アダプターを含めた最終的なライブラリーの長さです。インサートの長さだけを入れると、モル濃度が高く出ます。
  • この計算は、どのライブラリーも無傷の二本鎖DNA であることを前提としています。アダプターダイマーや断片は蛍光法の測定値を押し上げるため、実際のクラスター数は計算より少なくなります。リアルタイムPCR による定量のほうが、その影響を受けにくくなります。
  • 上限が調和平均であるため、とても薄いライブラリーが1つあるだけで全体が引き下げられます。目標に届かないときは、まずそこを見てください。
  • このツールは報告するだけで、直しはしません。ライブラリーを外したり目標を下げたりを勝手に行うことはありません。どのライブラリーが大事かは、使う人にしか分からないからです。
  • 液量は小数第2位まで表示します。計算自体は丸めておらず、丸めは表示の段階だけです。

よくある質問

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