使い方ガイド
- 測定値を欄に貼り付けます。表計算ソフトからコピーした列でかまいませんし、カンマ・空白・改行のいずれも区切りとして使えます。
- 貼り付けると、n・平均値・標準偏差・CV (%)・最小値・最大値・範囲が出ます。
- 標準偏差は既定で標本標準偏差 (n−1) です。母標準偏差 (n) に切り替えることもでき、どちらを使っているかは画面に表示されます。
- 読み取れなかったものは報告します。黙って落とすことはしません。
💡 指数は e で入力できます。たとえば 1.5×10⁻⁵ は 1.5e-5 と入力します。
計算式と注意点
変動係数は、ばらつきを平均値に対する割合で表したものです。標準偏差だけでは、大きさの違う量どうしを比べられないために生まれた指標です。平均 100 まわりの SD 2 と平均 10 まわりの SD 2 は、まったく違うことを意味します。CV にすればそれぞれ 2% と 20% になり、そのまま比べられます。
- 平均値
- x̄ = Σx ÷ n
- 標本標準偏差
- s = √[ Σ(xᵢ − x̄)² ÷ (n − 1) ]
- 母標準偏差
- σ = √[ Σ(xᵢ − x̄)² ÷ n ]
- 変動係数
- CV(%) = s ÷ x̄ × 100
n−1 と n
この計算ツールは既定で標本標準偏差 (n−1) を使います。検査室の精密さを見るときの標準的なやり方だからです。
考え方はこうです。実際に測った20個は、その方法が生みうるすべての測定値からの標本です。その標本から計算した平均値は標本に合わせて求めたものなので、ばらつきを n で割ると真の値より小さく出ます。n−1 で割ると、その偏りが補正されます。
母標準偏差 (n) は、手元の値がすべての値である場合のためのものです。実験データではまれです。
n が小さいほど、2つは離れます。n=5 では差が約 11.8%、n=30 では 2% 未満になります。
注意点
- どちらの基準を使ったかを記録してください。n−1 と n が混ざると、あとで比較できなくなります。この計算ツールが画面に基準を明記しているのは、そのためです。
- 平均値が0に近づくと、CV は意味を失います。分母が小さくなって値が発散するためです。平均値がちょうど0のときは計算できません。
- 負の値を取りうるデータに CV は向きません。摂氏の温度や差のように、0 の位置が任意な尺度では、比に意味がないからです。
- n が小さいと、CV 自体が不安定です。3〜5個から求めた CV は目安にすぎません。精度を評価する試験では、通常20個以上を使います。
- 同時再現性と日間再現性を分けてください。1日のうちに連続して測った値からの CV と、何日かにわたる CV は別の量で、後者のほうがふつう大きくなります。どちらを測っているのかを先に決めてください。
よくある質問
ほとんどの場合は n−1、標本標準偏差です。測定値が、その方法が生みうるすべての測定値の一部であるときに使うもので、検査室の精密さを見るときの標準です。母標準偏差 (n) は手元の値が母集団そのものであるときだけで、実験データではめったにありません。
おそらく基準が違います。STDEV.S が標本標準偏差 (n−1)、STDEV.P が母標準偏差 (n) です。この計算ツールの既定は標本標準偏差なので、STDEV.S と一致するはずです。
1つの数値は存在しません。測定対象・濃度・方法によって変わり、各施設の手順書や該当する指針が定めます。この計算ツールは値を出すだけで、合否を判定しません。
標準偏差を出すには最低2つです。3〜5個から求めた値は大きく動くため目安にすぎず、精度の評価には通常20個以上が必要です。
読み取れなかったものは通知に並べています。数値と一緒に文字が入ってしまったか、桁区切りが付いている可能性があります。何を飛ばしたかは通知に書かれています。
CV だけが必要なら十分です。管理図を描いてウエストガード・ルールを適用するには、レビー・ジェニングス管理図のツールをお使いください。累積の統計量と管理限界も扱います。