使い方ガイド
- 基質濃度と「初」速度の 2 列を貼り付けます。初速度は反応進行曲線の最初の直線部分の傾きです。
- 基質濃度は Km を挟んで上下に広げます。可能であれば Km の 0.2 倍から 5 倍以上まで取ってください。
- 結果の「最も高い基質」が Km の何倍かを確認します。5 倍未満なら警告が出て、その Vmax はそのまま使えません。
- 図で点が右端において平らになっているかを見ます。まだ上がっているなら基質をさらに高くする必要があります。
💡 単位は何でも構いません — Km は濃度の単位、Vmax は速度の単位でそのまま出ます。
計算式と注意点
基質が増えるほど速度は上がりますが、酵素が飽和するとそれ以上は上がりません。その形を 2 つの数で書き表したのがミカエリス–メンテン式です。
2 つのパラメータ
Vmax は基質が無限にあるときの速度、Km は速度がその半分になる基質濃度です。
- 速度
- v = Vmax · [S] / (Km + [S])
- Km の定義
- v(Km) = Vmax / 2
Vmax / Km
基質がごく薄いときの曲線の傾きです。異なる酵素や基質を比べるとき、Km か Vmax のどちらか一方を見るよりこの値のほうが適しています — 両方が変わった場合を 1 つの数にまとめてくれるからです。
Km が「常に正」である理由
低基質側の点がぶれると、負の Km のほうが残差を小さくすることがあります。しかし負の Km は速度定数ではなく計算がモデルの外へ出ただけなので、この道具は 2 つのパラメータを正に固定します。
注意点
- ⛔「初」速度でなければこの式は当てはまりません。終点値や反応が遅くなった後の値を入れても曲線は描かれ Km も出ますが、どちらも意味がありません。これだけはどんな計算でも検出できません。
- 基質範囲が Km より十分上まで届いていないと、Vmax は「データではなくモデル」が決めます。この道具が最も高い基質を Km の倍数で常に示すのはそのためです。
- Km は酵素に固有の定数ではなく、その条件での値です — pH・温度・イオン強度・緩衝液が変われば一緒に変わります。文献値と違う場合はまず条件を比べてください。
- R² が高いことはモデルが正しいことを意味しません。図で点が曲線に沿って「均等に」ばらついているかのほうが重要です。
- 標準誤差は入力した点が Km と Vmax をどれだけ狭く定めるかを示すだけで、実験の再現性は繰り返し測定でしか分かりません。
よくある質問
反応進行曲線 (時間に対する生成物) の「最初の直線部分」の傾きです。基質がほとんど消費されず、生成物阻害もまだ始まっていない区間である必要があります。通常は基質の 10 % 以内が消費される時間までを使います。⛔ 終点値 1 点を時間で割ったものは初速度ではなく、それを入れるとこの道具は曲線を描きますが結果に意味はありません。
Km を挟んで上下に広げるのがよく、実務的には Km の 0.2 倍から 5 倍以上までを勧めます。Km の 5 倍で曲線は Vmax の 83 % に達するため、プラトーが見え始めます。この道具は結果に「最も高い基質が Km の何倍か」を常に示し、5 倍に届かない場合は警告します。
Km は酵素の固定された性質ではなく「その条件での」値です。pH・温度・イオン強度・緩衝液の種類・補因子濃度が変われば Km も変わり、数倍の差が出ることも珍しくありません。文献と比べるときは値より先に条件を合わせてみてください。
Vmax はその実験に入れた酵素量での最大速度なので、酵素を 2 倍入れれば 2 倍になります。kcat は酵素分子 1 つあたりの値で酵素量に依存しません — Vmax を酵素のモル濃度で割ると得られます。この道具は酵素濃度を受け取らないため、Vmax までを出します。