使い方ガイド
- 分離ゲルの濃度を選びます。並んでいる4つの選択肢には、出典が勧めるタンパク質の大きさの範囲が付いています。それ以外の濃度は「自分で入力」を選んでください。
- 流し込むゲルの枚数を入れます。この欄に数値が入るまでは何も表示されません。
- スペーサーの厚さを選びます。Bio-Rad Mini-PROTEAN のカセットを満たす容量が隣の欄に入ります。大型ゲルの場合は、そこにご自分のカセット容量を入れてください。
- 分離ゲルの割合と余分を確かめます。75% と 10% は当サイトの既定値なので、コームが通常より深い・浅い場合は調整してください。
- タンパク質の大きさを kDa で入れると、それを含むゲル濃度が下の表に印されます。
- 2つの組成を順に調製します。APS と TEMED は最後、流し込む直前に入れます。
SDS-PAGE ゲルの計算式と注意点
ポリアクリルアミドゲルは、アクリルアミドが網目を編みながら固まります。その網目の穴の大きさが、タンパク質をふるい分けます。アクリルアミドが多いほど網目が細かくなり、小さいタンパク質をよく分離できます。組成そのものはいくつかの比でできているため、どんな容量にもきれいに合わせられます。
1層分
全量が決まれば、4つの試薬は比として決まります。水は残りです。
- 30% アクリルアミド/ビス (mL)
- 全量 × ゲル濃度 ÷ 30
- ゲル用緩衝液 (mL)
- 全量 × 0.25
- 10% SDS (mL)
- 全量 × 0.01
- 水 (mL)
- 全量 − アクリルアミド − 緩衝液 − SDS
- 10% APS (µL)
- 全量 (mL) × 5
- TEMED (µL)
- 分離ゲル:全量 × 0.5 · 濃縮ゲル:全量 × 1
どれだけ作るか
カセットの容量を2層に分け、枚数を掛けて、その上に余分を足します。
- 分離ゲル (mL)
- カセット × 割合 × 枚数 × (1 + 余分)
- 濃縮ゲル (mL)
- カセット × (1 − 割合) × 枚数 × (1 + 余分)
注意点
- ⚠️ アクリルアミドとビスアクリルアミドは溶液の状態で神経毒です。ゲルが固まると危険性は大きく下がりますが、重合していないモノマーが残っていることがあるため、固めたゲルも手袋を着けて扱ってください。
- ゲル用緩衝液は2層で違います。分離ゲルは 1.5 M Tris-HCl pH 8.8、濃縮ゲルは 0.5 M Tris-HCl pH 6.8 です。入れ違えるとバンドが濃縮されません。
- APS は毎日新しく作り、TEMED は3か月ごとに交換してください。酸化して触媒としての働きがしだいに落ちるためで、これは出典自身の推奨です。
- 触媒の濃度が合っていないと、ウェルがうまくできない、コームの後ろに膜が張る、といった形で表れます。出典の対処は、濃縮ゲルの触媒を APS 0.06%・TEMED 0.12% に上げることです。
- カセット容量の表は Bio-Rad Mini-PROTEAN のもので、カセットを完全に満たす容量です。実際に必要な量はコームによって、また濃縮ゲルを重ねるかどうかによって変わる、と出典は注記しています。
- 大型カセットの容量は表にありません。1次資料が開けなかったためです。推測した数値を載せるかわりに、欄を書き換えられるようにしてあります。
- 分離ゲルの割合 75% と余分 10% は当サイトの既定値であって、出典のものではありません。出典のある数値として引用しないでください。
よくある質問
見たいタンパク質の大きさから決まります。上に kDa で大きさを入れると、それを含むゲル濃度が表に印されます。大きいタンパク質ほど低い濃度、小さいタンパク質ほど高い濃度です。幅広い大きさが混ざった試料には、どの単一濃度よりグラジエントゲルが向きます。
使えます。全体が同じ比でできているため、どの濃度でも組成は出ます。出ないのは kDa の範囲です。出典が4つの濃度しか載せておらず、そのあいだの値を作り出すことはこのページではしません。
濃縮ゲルは何かを分離するためのものではなく、試料を分離ゲルの入口で薄い帯にまとめるためのものです。それを実現するのは大きな孔と低い pH なので、濃度は低いままにし、緩衝液のほうを 0.5 M Tris-HCl pH 6.8 に変えます。
既定は 10% です。ピペットやビーカーに残る分と、流し込むときにこぼれる分を見込んだもので、枚数が増えるほど割合は下げられます。この数値は出典のものではなく当サイトのものです。
出典が挙げる原因は、APS または TEMED が少なすぎる・多すぎる、脱気していない、温度が低すぎる、アクリルアミドの品質が悪い、APS が古い、です。APS はその日に作ったものを使い、室温で流し込み、10〜15分脱気してください。