使い方ガイド
- 手元のエネルギーを入れます。
- 単位を選びます。J・kJ・cal・kcal・eV のいずれかです。
- どちらのカロリーを使うかを選びます。既定は熱化学カロリーで、生化学の kcal/mol はこちらです。
- 残りの四つが下に出ます。それぞれにコピーボタンが付きます。負の値も使えます。反応はエネルギーを放出することがあります。
💡 指数は e で入力できます。たとえば 1.5×10⁻⁵ は 1.5e-5 と入力します。
計算式と注意点
単位はジュールで、このページのそれ以外はすべてジュールの決まった倍数です。落とし穴は計算ではなく、「カロリー」という一語が別々の二つの単位を指すことにあります。どちらも定義値で、0.067 % 違います。どちらのつもりだったのか誰も書き残していないために再現できない値は、値ではありません。
換算係数と、その出どころ
| 単位 | ジュール換算 | 正確か | 出典 |
|---|---|---|---|
| cal(熱化学) | 4.184 | 定義 | NIST SP 811 B.8 · JIS Z 8000-5 附属書 B 5-6.B.c |
| cal(I.T.) | 4.1868 | 定義 | NIST SP 811 B.8 注9 · JIS 附属書 B 5-6.B.b |
| eV | 1.602 176 634 × 10⁻¹⁹ | 2019年以降は正確 | CODATA 2022, NIST CUU |
このページがしているのは、次を必要な向きに当てはめることだけです。
- カロリー → ジュール
- E/J = E/cal × 4.184 (熱化学)
- 電子ボルト → ジュール
- E/J = E/eV × 1.602 176 634 × 10⁻¹⁹
0.067 % はどれくらいか
ΔG が −10.0 kcal/mol なら、熱化学カロリーで −41.84 kJ/mol、I.T.カロリーで −41.868 kJ/mol です。結合定数ひとつでこの差を測れる人はいません。ところが40個の表を二人が別々のカロリーで換算すれば、平均では消えない系統的なずれになります。だからこのツールは「同じ考えでしょう」と流さず、どちらのカロリーを使ったかを表示します。
注意点
- 熱化学カロリーはちょうど 4.184 J、I.T.カロリーはちょうど 4.1868 J です。どちらも NIST SP 811 附属書 B.8 と JIS Z 8000-5:2014 附属書 B にあり、I.T. の値は1956年ロンドンの第5回国際蒸気性質会議が定めました。
- 生化学は熱化学カロリーを指します。結合エネルギー、kcal/mol で書かれた ΔG、熱力学の表は、すべて 4.184 の系統です。I.T.カロリーは蒸気表と工学の系統です。このページは熱化学を既定とし、結果ごとにどちらを使ったかを書きます。
- 1 eV=1.602 176 634 × 10⁻¹⁹ J であり、2019年の SI 改定以降この値は測定値ではなく正確値です。電気素量が定義定数になったからです。⚠️ JIS Z 8000-10:2015 10-28.b は、いまも2010年 CODATA の値を不確かさ付きで載せています。その規格が改定より前なので古いのであって、誤っているわけではありません。
- ⚠️ 電子ボルトは「粒子1個あたり」のエネルギー、kcal/mol は「1モルあたり」のエネルギーです。このページは二つのあいだを行き来しません。その段階に必要なのは単位の係数ではなくアボガドロ定数です。念のため、橋渡しは 1 eV/粒子=96.485 kJ/mol で、この数は実はファラデー定数です。
- JIS Z 8000-5 は、これらの単位が載る附属書を「これらの単位は用いないほうがよい」で始めています。ここでは反論せずそのまま伝えます。単位はジュールです。カロリーを載せているのは、文献がそれで埋まっているからです。
よくある質問
どちらも現行規格の定義値だという意味では、どちらでもありません。問うべきは「自分が見ている出典がどちらを使ったか」です。生化学・熱力学・結合エネルギーなら熱化学カロリー 4.184 J、蒸気表や古い工学資料なら I.T.カロリー 4.1868 J です。出典が明示しておらず、その差が自分の細かさで効いてくるなら、その出典は再現できません。
それはキロカロリーです。英語で大文字の C を使う Calorie がその意味で、1 Calorie=1000 cal です。栄養の分野は熱化学の系統に従うので、250 kcal の間食はおよそ 1046 kJ です。世界の多くの食品表示が kJ を併記するのは、まさにこのためです。
分光や光化学がその単位で動いており、波長を光子のエネルギーに直すと eV で出るからです。カロリーと同じ表にあるのは、どちらも「ジュールの決まった倍数」という同じ種類のものだからです。ただし一方は粒子1個に、他方はモルに付きます。
できませんし、あえて用意していません。粒子あたりのエネルギーとモルあたりのエネルギーは別の物理量で、あいだを渡るには単位の係数ではなくアボガドロ定数を掛けます。値が必要なら 1 eV/粒子=96.485 kJ/mol です。
単位が変わったからです。それがこの選択欄の目的です。同じ 1 kcal が、一方の定義では 4184 J、他方では 4186.8 J になります。数字が動くのを見るほうが、0.067 % がどれくらいかを読むより安く身に付きます。
JIS Z 8000-5 は使わないほうがよいと述べていますし、SI のエネルギー単位は一つだけです。とはいえ実際に読む文献は kcal/mol で埋まっており、換算しなければなりません。このページはその役です。記録はジュールで、カロリーは入ってくるときに換算してください。