使い方ガイド
- 四つの欄のうち、値が分かっているものに入れ、残りの三つは空けておきます。
- 25 ℃以外で作業しているのでなければ、pKw は 14.00 のままにしてください。37 ℃なら 13.6 に近い値です。
- 残りの三つが下に出ます。二つ目の欄を埋めると答えではなくエラーになります。答えが二通りになってしまうからです。
💡 指数は e で入力できます。たとえば 1.5×10⁻⁵ は 1.5e-5 と入力します。
計算式と注意点
関係は二つだけです。濃度は10の −p 乗、そして pH と pOH を足すと pKw。このページで注意を向けるべきは計算ではなく「濃度」という語のほうです。pH はそう定義されていないからです。
量は四つ、関係は二つです。
- p から濃度へ
- [H⁺] = 10^(−pH) [OH⁻] = 10^(−pOH)
- 濃度から p へ
- pH = −log₁₀[H⁺] pOH = −log₁₀[OH⁻]
- 二つの和
- pH + pOH = pKw (25 ℃で 14.00)
25 ℃での基準点
| pH | [H⁺](mol/L) | pOH | |
|---|---|---|---|
| 1 M 強酸 | 0 | 1 | 14 |
| 胃酸 | 1.5 | 3.2 × 10⁻² | 12.5 |
| 中性 | 7 | 1 × 10⁻⁷ | 7 |
| 血液 | 7.4 | 4.0 × 10⁻⁸ | 6.6 |
| 1 M 強塩基 | 14 | 1 × 10⁻¹⁴ | 0 |
pH が1動けば濃度は10倍動きます。測定値が 0.3 ぶれたというのは2倍ぶれたということだ、と目の前に置いておく価値があります。
注意点
- ⚠️⚠️ IUPAC は pH を濃度ではなく活量で定義します。Gold Book P04524 は pH = −lg[a(H⁺)] を与えたうえで、単一イオンの活量係数を計算できないため pH は単独では測定できず、したがって観念的な定義とみなすほかない、と付け加えます。JIS Z 8802:2011 3.1 は代わりに操作的に定義します。pH 標準液を基準に、ガラス電極 pH 計で測る起電力から求める値です。
- したがってこのページが計算する [H⁺] = 10^(−pH) は、活量係数を 1 とおいたときの濃度です。希薄溶液では十分に近く、イオン強度が上がるほど外れます。1 M の塩溶液では良い数値ではありません。
- ⭐ pKw を入力にしたのは、温度で動くからです。25 ℃で 14.00、37 ℃でおよそ 13.6。体温条件の緩衝液を 14.00 で計算すると pOH がおよそ 0.4 ずれます。温度と密度の全範囲の値は Bandura と Lvov の J Phys Chem Ref Data にあり、換算ツールが抱える範囲を超えます。
- 中性がつねに pH 7 とはかぎりません。中性とは [H⁺] と [OH⁻] が等しいことで、その位置は pKw ÷ 2 です。25 ℃で 7.00、37 ℃でおよそ 6.8。pH 7.4 の血液は中性より塩基性ですが、数字が与える印象ほどではありません。
- 0〜14 の外側の pH も実在し、このツールは計算します。発煙酸や濃アルカリがその外にあります。0〜14 は 25 ℃の pKw から出てくる帰結であって、法則ではありません。このツールが断るのは0以下の濃度で、そこでは対数が定義されません。
よくある質問
活量係数を 1 と仮定したときの濃度です。pH は活量で定義され、イオン強度が上がるほど活量と濃度は離れていきます。希薄な緩衝液なら差は小さく、濃い塩溶液ではそうではありません。ここの数値は役に立ちますし、近似でもあります。それを黙って測定値のように出さず、こうして書いています。
14.00 は 25 ℃の値ですが、25 ℃だけで実験する人はほとんどいないからです。37 ℃ではおよそ 13.6 なので、14.00 で計算した pOH は 0.4 ずれます。水酸化物イオン濃度では2.5倍です。定数として埋め込むと、答えを変える温度依存性が隠れてしまいます。
いいえ。中性とは [H⁺] と [OH⁻] が等しいことで、その位置は pKw ÷ 2、体温ではおよそ 6.8 です。pH 7.4 の血液は中性より塩基性ですが、固定した 7.00 から読む 0.4 ではなく、およそ 0.6 の差です。
なりますし、このツールも計算します。濃い強酸は0より下、濃アルカリは14より上に行きます。0〜14 という範囲は 25 ℃の pKw から出てくるもので、「酸性はここまで」という決まりではありません。その外を測ることは別の話です。ガラス電極は範囲内の標準液で校正されるからです。
0の対数が数ではないからです。濃度がちょうど0なら pH は無限大ですが、水の溶液でそうなるものはありません。水の自己イオン化だけでも [H⁺] は 10⁻⁷ 付近に保たれます。Infinity と表示するより、断るほうが正直です。
なりません。JIS Z 8802 は pH を「校正されたガラス電極が標準液に対して読む値」として定義します。pH が生まれる場所は pH 計です。このページは、すでに手元にある pH を残り三つの数値に直すだけです。