使い方ガイド
- ImageJ で目的のバンドとローディングコントロールのバンドを測ります。バックグラウンドの差し引きは、ここに来る前に ImageJ で済ませてください。
- 1レーンにつき1行を貼り付けます。レーン名・目的バンドの強度・ローディングコントロールの強度です。
- レプリケートをまとめるには、4列目に群の名前を足します。
- 対照群を選びます。発現量比はすべて、その群の平均を1として測ります。
- ステップ1とステップ2の列をあわせて読んでください。その隣の列は、ステップ1を飛ばした場合の値です。
計算式と注意点
計算そのものは2回の割り算です。難しいのは計算ではなく順序です。
ステップ1 — 各レーンをそのレーンのローディングコントロールで割る
レーンに載るタンパク質量は決してそろわないため、目的バンドの強度を同じレーンのローディングコントロールの強度で割ります。得られるのは、ローディングがそろっていたら目的バンドがどうなっていたか、という値です。
- 補正後の強度
- 目的 ÷ ローディングコントロール
ステップ2 — 対照群の平均で割る
ステップ1の値を、対照レーンのステップ1の値の平均で割ります。対照が1になり、ほかはすべてそれに対する発現量比になります。
- 発現量比
- 補正後の値 ÷ 対照の補正後の値の平均
注意点
- 出典はステップ1を「目的 ×(対照レーンのローディング ÷ このレーンのローディング)」と書いています。ここでは「目的 ÷ このレーンのローディング」と書いています。2つは定数1つ — 対照レーンのローディングコントロール — だけ違い、それはステップ2がどのレーンからも同じように割り落とすため、発現量比は一致します。
- バンド強度はバックグラウンドを差し引いたうえで、飽和していない画像から測る必要があります。飽和したバンドは、本当の差より小さな差しか示しません。
- ローディングコントロールのばらつきは CV値 として表示し、合否の線は引いていません。そうした閾値を示す1次資料が見つからず、判定基準の位置に出典のない数値を置くことはしないためです。
- ハウスキーピングタンパク質は、1レーンあたりおよそ 4 μg を超えるとメンブレンで飽和していることが多いとされています (Taylor & Posch, 2014)。飽和したローディングコントロールはどれだけ載せても同じに見えるため、それで補正すると、測ろうとしている差そのものが消えます。
- 補正なしの列は比較のためのもので、報告する数値ではありません。ステップ1を飛ばしたらどれだけずれていたかを示すために置いてあります。
よくある質問
変わります。先に対照で割り、あとからローディングコントロールで割ると、各レーンが違う定数で割られることになり、結果が動きます。ステップ1を丸ごと飛ばした場合の値を補正なしの列に出していますので、ご自身のデータでその大きさを見られます。
使えます。計算は変わりません。総タンパク質のシグナルを3つ目のセルに入れてください。総タンパク質量は、ハウスキーピングタンパク質で問題になる飽和が起こりにくいと報告されています。
それらのステップ1の値を平均し、その平均を基準にします。そのため個々の対照レーンはちょうど1ではなく1の近くに来ます。その散らばりが実験の再現性です。
バックグラウンドが残っていると、弱いバンドほど割合として大きく持ち上がります。差し引いたかどうかはこのツールには判別できないため、警告も出せません。先に ImageJ で済ませてください。