細胞播種・分割比の計算ツール

いまの細胞密度と生存率から、容器ごとの細胞懸濁液と培地の量を出します。種類の違う容器をまとめて1つの計画にでき、外周ウェルとまとめての調製も扱えます。下の5つの手順を順に進めます。いまの細胞密度が入るまで、何も表示されません。

培養の種類を選ぶ

いまの細胞密度を入れる

はじめる前に細胞を数えてください。細胞計数の計算ツールが、この欄に入れる細胞密度を出します。

目標と培養容器を決める

培養面積 75 cm² · 出典の推奨 8〜15 mL

このあとにすること

お使いの細胞株の倍加時間を入れてください。細胞株ごとの初期値はありません。培地・血清・継代数・密度で変わり、1次出典を得られなかったためです。

  • いつ培地を交換し、いつ次の継代をするかは、その細胞株の倍加時間から決まります。
  • 外周ウェルを空けた場合、PBS か滅菌水を入れておくと、内側のウェルからの蒸発が遅くなります。
  • 接着細胞を播種したあとは、プレートを前後・左右に滑らせて広げてください。回すように振ると中央に集まってしまいます。
  • 次の継代のときのいまの細胞密度は、また細胞計数の計算ツールから得られます。

出典: Gibco (Thermo Fisher)「Useful Numbers for Cell Culture」— 培養面積、播種密度、コンフルエント時の細胞数、容器あたりの培地量。⚠️ コンフルエント時の数値は HeLa 細胞で測定されたものだと、その文書に明記されています。

使い方ガイド

  1. ① 培養の種類を選びます。接着細胞は cells/cm²、浮遊細胞は cells/mL で目標を決めます。プレートの場合は満たし方も選びます。
  2. ② いまの細胞密度と生存率を入れます。密度は細胞計数の計算ツールが出す値です。この欄に数値が入るまで何も表示されません。
  3. ③ 目標播種密度を確認し、培養容器の行を追加します。容器を選ぶと出典の推奨培地量が一緒に入り、プレートは外周ウェルを空けることができます。
  4. ④ 実際に使う量を読みます。容器ごとの細胞懸濁液と培地、それに合計です。1ウェルあたりの量が少なすぎる場合は、希釈の手順が一緒に出ます。
  5. ⑤ このあとにすることを確認します。

計算式と注意点

播種そのものは1回の割り算です。必要な細胞数を、いま手元にある密度で割るだけです。手間がかかるのはその前後で、生細胞だけを数えること、プレートをウェルごとではなくまとめて調製すること、外周を空けること、そして答えが誰にもピペットで扱えない量になったときにどうするかです。

計算式

接着細胞と浮遊細胞で違うのは、必要な細胞数を求める行だけです。

生細胞の密度 (cells/mL)
いまの細胞密度 × 生存率 ÷ 100
必要な細胞数 — 接着細胞
目標 (cells/cm²) × 培養面積 (cm²)
必要な細胞数 — 浮遊細胞
目標 (cells/mL) × 液量 (mL)
細胞懸濁液 (mL)
必要な細胞数 ÷ 生細胞の密度
培地 (mL)
液量 − 細胞懸濁液
希釈
生細胞の密度 ÷ ウェル内の密度

外周を空ける場合

外周の1周を除くと、(行 − 2)×(列 − 2)ウェルが残ります。

96ウェル (8 × 12)
6 × 10 = 60 ウェル — 36 ウェルを空ける
48ウェル (6 × 8)
4 × 6 = 24 ウェル
24ウェル (4 × 6)
2 × 4 = 8 ウェル
12ウェル (3 × 4)
1 × 2 = 2 ウェル
6ウェル (2 × 3)
0 ウェル — すべてが外周ウェル

注意点

  • ⚠️ 容器の表にあるコンフルエント時の数値は HeLa 細胞で測定されたものです。出典が脚注で明記しています。細胞株によって大きく変わるので、そのまま持ち込まないでください。
  • ⚠️ 余分に作る量 10% とピペットの最小量 2 µL は当サイトの既定値で、どの出典からも引用していません。出典のある数値として引用しないでください。
  • まとめて調製するのは便利さのためではなく、答えが変わるからです。ウェルを1つずつ満たすと、数マイクロリットルずつの移し取りの誤差が、そのままそのウェルの細胞数に乗ります。
  • 外周ウェルは蒸発が速いため、ふつうは空けておくか PBS を入れます。96ウェルプレートでは、使えるウェルが60個になります。
  • 細胞株ごとの初期値はありません。細胞株ごとの播種密度や倍加時間について、1次出典を得られませんでした。ATCC の製品ページも倍加時間を公開していません。条件によって大きく変わる値なので、推測した既定値を置くほうが、置かないより悪くなります。
  • 振とうフラスコやバイオリアクターも載せていません。推奨する液量についての1次文書が開けませんでした。浮遊細胞の作業は液量を直接入力するため、これで止まることはありません。
  • 接着細胞を播種したあとは、回すように振らず、前後・左右に滑らせてください。回すと細胞が中央に集まります。

よくある質問

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