使い方ガイド
- 化学式を入力します。大文字小文字を区別するので、元素記号は先頭のみ大文字にします — H2O、C6H12O6、NaCl。
- 括弧や水和物は普段どおりに書けます — Ca(OH)2、Fe2(SO4)3、CuSO4·5H2O。角括弧・波括弧も同じです。
- 化学式が思い出せないときは、上の欄に名前を入れて「調べる」を押します。PubChem が返すのは化学式だけで、分子量はこの道具が計算します。
- 答えの下の表で元素ごとの寄与と質量パーセントを確認します。試薬を何 g 量るかは「モル濃度計算機」に進んでください。
💡 化学式の欄はインターネットがなくてもそのまま動きます。外部に出るのは「調べる」ボタンだけです。
計算式と注意点
分子量は、化学式に含まれる原子の標準原子量をそのまま足し合わせた値です。難しいのは計算ではなく「どの原子量を使うか」です。
足し算
元素ごとに個数 × 原子量を求めて合計します。質量パーセントはその寄与を総和で割ったものです。
- 分子量
- M = Σ (nᵢ × Aᵢ)
- 質量パーセント
- % = nᵢ × Aᵢ / M × 100
どの原子量か — 簡略標準原子量
14 の元素には標準原子量が「一つの数」ではなく区間として与えられています。炭素は [12.0096, 12.0116] で、試料の由来によってその中で変わります。IUPAC は計算に使うための「簡略標準原子量」を別に公表しており、この道具が使うのはそれです。区間の中点ではなく、± は区間全体を覆うように決められています。
- 炭素
- [12.0096, 12.0116] → 12.011 ± 0.002
値そのものがない元素
テクネチウム・プロメチウム・ポロニウムをはじめ 34 の元素には標準原子量が「ありません」。安定同位体がなく、地球上の平均組成というものが定まらないためです。この道具はそうした元素が出てきたら計算せずにそう伝えます — 最長寿命の同位体の質量数で代用したりはしません。それは別の量であり、試薬瓶に書かれている値でもありません。
注意点
- 大文字小文字が意味そのものです。Co はコバルト (58.933)、CO は一酸化炭素 (28.010) です。この道具は小文字で始まる記号を「直さずに」断ります — 直せば、別の分子を自信をもって返すことになります。
- 電荷は重さを変えません。電子 1 個は最も軽い原子の 1/1836 で、どの原子量の精度よりも下です。ただし NH4+ と Ca2+ は形が同じで 4 は下付き、2 は電荷なので — 数字は常に下付きとして読み、「読み取った化学式」を答えの横に表示します。その行を必ず確認してください。
- 水和物では、点のあとの数字がその後ろ全体に掛かります。CuSO₄·5H₂O は CuSO₄ に水 5 個を加えた 249.677 です。無水物と水和物を取り違えると、モル数がまるごと変わります。
- ここで出るのは「平均」分子量です。質量分析で使うモノアイソトピック質量とは別の量で、分子が大きいほど差が開きます。
原子量の出典: Prohaska, T. ほか「Standard atomic weights of the elements 2021 (IUPAC Technical Report)」Pure and Applied Chemistry。 doi:10.1515/pac-2019-0603
よくある質問
使っている原子量の版が違うためです。この道具は IUPAC 2021 年版の簡略標準原子量を使います。古い版や、かつての「慣用原子量」を使うところとは末尾の桁が食い違うことがあります — 2021 年の報告は、簡略値が慣用原子量を置き換えると明記しています。実務で問題になる大きさではありませんが、どの版かを知っておくほうがよいでしょう。
その欄に書いた名前だけが、米国国立衛生研究所 (NCBI) の PubChem に送られます。返ってくるのも化学式ひとつだけで、分子量はその化学式からこの道具が計算します。化学式の欄に直接入力する場合は何も外部に出ず、インターネットが切れていても動作します。
必要なモル数 × 分子量です。たとえば 100 mL の 0.1 M 溶液なら 0.01 mol が必要で、分子量 121.136 の Tris なら 1.211 g です。この計算は「モル濃度計算機」が単位まで合わせて行います。
IUPAC がテクネチウムに標準原子量を与えていないためです。安定同位体がなく、「地球上の平均組成」というものが存在しません。最長寿命の同位体の質量数 (98) を代わりに載せる表もありますが、それは別の量なので、この道具は黙って差し替えるのではなくそう伝えます。同じ理由で 34 の元素が該当します。